金融庁-損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議(3回)開催!(2回目議事録要約を記載)

掲題のとおり、損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議(第3回)が5月24日(金)に開催されましたので、ご参考までにお知らせします。(※以下に第2回の議事録要約を記載しております)

損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議(第3回)議事次第

日時:令和6年5月24日(金曜日)10時00分~12時00分

会場:中央合同庁舎第7号館 12階 共用第2特別会議室

https://www.fsa.go.jp/singi/sonpo/siryou/20240524.html

(事務局説明資料)

https://www.fsa.go.jp/singi/sonpo/siryou/20240524/siryou1.pdf

※第3回の論点は事務局資料をご確認ください。

  • 数日後に議事録なども掲載される予定ですので、FSAのサイトのチェックをお勧めします。

(参考)前回(2回目)の議事録の要約を以下に記載します。

〔大規模乗合代理店・募集人の品質〕

・第三者評価制度の実効性を確保するためには、生命保険業界における評価制度のような任意参加方式 ではなく、強制的に評価を受けさせる方式とすることも検討すべき。

・第三者評価制度における業務品質の評価は、代理店が自主点検を行っているかなどの体制整備の状況も含めた評価項目でないと、評価される方も納得感がない。どのような評価項目がふさわしいかについて、評価をされる側の代理店も含めて十分に検討する必要。

・第三者評価制度の運営にあたっては、損害保険会社ではなく業界から独立した第三者が運営すべきであるが、形式的な評価にならないよう、当局も一定程度関与する必要。また、その評価項目の内容も定期的に見直されるべき。

・第三者による代理店評価の仕組みも重要であるが、中期的には、当局の権限を一部委任するかたちの「自主規制機関」も視野に入れた検討を続けるべきではないか。

・保険代理店の募集品質を向上させるため、大規模代理店や乗合代理店については内部管理の責任者設置等の上乗せ規制を課すことも検討すべき。

・自動車保険は高額の賠償責任など個人が負うリスクとしては最大級のものをカバーするものであり、リスクマネジメントの観点から保険募集人の役割は大きい。これを踏まえれば、現行の保険募集人の資格制度は容易すぎるのではないか。

・保険募集人の資格制度について、証券業と同様に、より上位の内部管理者や営業責任者といった制度も導入することで、より充実させることができるのではないか。

〔便宜供与〕

・時代に合わない慣行が依然として続けられている。業界団体において、便宜供与に係るガイドラインを作成するほか、損害保険会社の社員等からの通報窓口を設置するなどの取組みを検討すべき。

・保険代理店の自立を促進するという目的以外の便宜供与は基本的に廃止されるべき。また、損害保険会社ごとに解釈が異なることのないよう、一定の判断基準を設定するなど、実効性が確保される仕組みの検討が必要。

・損害保険会社による「自社の保険商品の優先的な取扱いを誘因する」便宜供与を防止することが重要。損害保険会社は、多くの契約を獲得することでなく、顧客のために必要な保険商品を提供することを優先すべき。

・損害保険会社から保険代理店への出向については、その実績を損害保険会社や代理店が開示することも検討すべき。

〔代理店手数料ポイント制度〕

・自賠責などの契約の取り合いに対してインセンティブをかけることには疑問を感じる。保険市場の発展という観点からどのような競争が重要かを考えて、インセンティブの仕組みを設けることが重要。

・評価項目である業務品質のウェイトを上げるとともに、内容を顧客本位の業務運営の視点から見直すべき。また、保険会社と保険代理店との間でのお金のやり取り(手数料)の開示を行うことで、消費者からの監視の効果が働くのではないか。

〔乗合代理店における比較推奨〕

・保険商品の比較推奨時の情報提供については、消費者の関心も踏まえ、消費者の利益につながるような情報(手数料、保険の存在意義など)が提供されるべき。

・保険募集人が顧客の最善の利益を勘案しつつ商品の提案理由を説明するための体制整備を行うという点については、乗合代理店の規模・特性に配慮することや、事務負担の大幅な増加につながらないかなどの運用面について、十分に検討していく必要がある。

・現行では顧客が自己責任で保険を選ぶことが前提となっているところ、金サ法も踏まえ顧客の保険選択についての責任を保険募集人に課すという方向性については、議論を深めつつ進める必要がある。

〔保険会社の保険金等支払管理〕

・兼業により発生する利益相反行為を明確に禁止することが重要。また、保険募集上の違反がなかったとしても、適切な態勢整備ができていなければ、当局が代理店を処分することができるようにすべきではないか。

・保険会社内で営業部門と支払管理部門が適切に分離されていることが重要。営業重視の組織であれば支払管理は軽視される傾向にあるとも考えられるため、そうなっていないか確認する仕組みの検討が必要。

・約款に基づいて適正な査定を実施し保険金等の支払いを行うという、適切な業務遂行の結果として、顧客が満足を得られた場合には、それに見合った評価を支払管理部門が受けられるような評価制度とすることも良いのではないか。

・適正な支払管理態勢の構築に向けては、各保険会社内の支払審査会の機能を拡充し、不払いとした事案の妥当性にとどまらず、保険約款の解釈に争いがあったにもかかわらず高額の保険金支払いを判断した事案等も審議の対象とすることも考えられるか。

〔その他〕

・自動車保険について、損害額の大きさにかかわらず3等級下がるルールになっているところ、そうした制度を変えることで、契約者自 身のリスクマネジメントの向上に資するのではないか。